イスラム教徒の断食月[ラマダン]とは

ラマダンは(断食月)とは, ヒジュラ暦(イスラム暦)の第9月の一ヶ月間に, ムスリムの義務の一つ[サウム(断食:飲食を断つこと)]を行う期間のことを言います

イスラム教徒によるファスティング(サウム)とは 目的

ファスティング(Fasting)は断食の英語訳. 日本でファスティングというと, プチ断食などのように美容・健康用語として使用されていますが, イスラム教のファスティングは, ムスリムの義務の一つ[サウム(断食:飲食を断つこと)]を行うことを示します. サウムを行う時間帯は日の昇っている間と決まっており, その時間帯はさまざまな欲を捨て絶対の神(アッラー)への誓いと奉仕, 自身の信仰心を強めることが目的となっています

[イスラム教徒によるサウムの目的]

[英文]
Purpose of fasting in Ramadan is as an act of worship, a chance to get closer to God, and a way to become more compassionate to those in need.
Teach Human empathy and sympathy on how poor people are living (always in hunger)

[日本文]
ラマダンでの断食の目的は, 礼拝の行為, アッラー(神)に近づく機会, そして貧しい人々の気持ちを共感することで, 単に断食するのではなく, 自制心を養い自然と社会の恵みに感謝します

ラマダン後の食事(イフタール)

イフタールは日中の断食を終え最初に食べる食事のことを指します. ラマダンの期間, イスラム教徒は家族や友人と共にその日初めての食事をします. 日没後, アザーンと共に道端に人が集まりイフタールを楽しむことになります. 異教徒でも参加ができます. 道端を歩いていると 見ず知らずの人にも関わらず[一緒に食べよう!]と声を掛けられることもあり, 信仰者の人と交流する機会も生まれます. イスラム教には困っている人を助けようという教えがあり, 食事を分け与えてくれるのです(ラマダンの時期に限ったことではありません)

イフタールの内容は世界各国様々になり, その国の郷土料理があり国の文化を知るという意味でもとても興味深いものがあります

米料理(マレーシア)

2015, 16, 17, 20年とマレーシアでラマダン期間を過ごしました. マレーシアでは数多くのイフタール料理があり, 中でも米料理が多く感じられます. マレーシアの伝統料理の一つ[ルマン(Lemang)] もち米をココナッツオイルと一緒に竹筒に入れて炊いた料理になります. マレーシアでは, ココナッツオイルを使用した料理がとても多く存在します

家庭料理(パキスタン)

アシーダ(スーダン)

2018年, アフリカ縦断をしていた際に スーダンでラマダン期間を過ごしました. スーダンでも日没後に道端に人が集まり食事を楽しむことになります. その際に振る舞われる料理が[アシーダ(Asseeda)] ライ麦と水を練り混ぜたものでスーダン風のお粥になります


ファスティング後, 食事(回復食)を摂る際はゆっくりと食べて胃をならす! スーダンではお粥になります

ハリラスープ(モロッコ)

モロッコのイフタール定番料理が[ハリラスープ] 肉や野菜, 豆が入った具沢山のトマトスープになります. 栄養価が高く, 優しい味で体調を整えたい際にぴったりの料理です. モロッコではトマトの輸出量が世界4位!!! 観光のイメージが強いモロッコですが, 国内GDPの30%が農業で支えられている農業国になります.


ファスティング後, 食事(回復食)を摂る際はゆっくりと食べて胃をならす! モロッコではスープになります

用語解説

名称 意味
イスラム(Islam) イスラム教
ムスリム(Muslim) イスラム教徒
サウム 断食(飲食を断つこと)
ラマダン 断食月(ムスリムの義務の一つ サウムを行う期間)
イフタール 日中の断食を終え最初に食べる食事のこと
アザーン イスラム教における礼拝(サラート)への呼び掛けのこと
ハリ・ラヤ・プアサ ラマダン明けのお祝い(イスラム教最大のお祭り)
ハリ・ラヤ・ハジ イスラム教徒の聖地メッカへ巡礼を祝うお祭り(犠牲祭)

ラマダン ファスティング Q&A

イースターは国によって日にちが異なるがラマダンの時期は同じ?
-> 同じです ヒジュラ暦の第9月と決まっています

(随時質問募集中)

ラマダン 注意事項

ラマダン最中は, ほとんどのレストランが日中閉まることになります(開いているのは外国人向けのレストランのみ). 旅行中, ラマダン時期を知らずにイスラム教徒の国に入国すると, 食を探すのに苦労することになるので注意が必要

イスラム過激派は異教徒を攻撃することを善行と考えることがあります. イスラーム過激派が存在する地域(イラク, シリア その他)では, ラマダン時に多くのテロ(飲食店襲撃テロ, 爆破テロ, バスハイジャック)事件が発生. イスラム教の聖典コーランの一節を暗唱させ, できなければ殺害するという事件も起きているので, 特に旅行者は政府からの呼び掛けに耳を傾ける必要があります

サウジアラビア(厳格なイスラム教徒の国)では宗教警察が存在します. ラマダン期間中に非ムスリムの外国人が公共の場で飲食や喫煙をした場合, 厳しい刑罰が課されたり, 国外追放すると発表している 出典:wikipedia

ファスティングをして感じること

・親族や友人らと共に体験を分かち合うことで, 連帯感, 絆を深める

・イスラム教徒の人の優しさ(イフタールの際, 異教徒でも歓迎して食事を提供してくれる)

・イフタールの内容は世界各国様々になり, その国の郷土料理があり国の文化を知るという意味でもとても興味深く感じる

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カテゴリー: 宗教体験

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