なぜ宗教を必要とするのか

人間は誰もが何かを信じることによって生きている

その何かが宗教であり, それぞれが自分の信じる何かを宗教として持っている

そして, 人間はいつかは死ぬ存在なので宗教は存在するのではないだろうか

誰もが死ぬのは怖い(一部を除き), その死に対する恐怖を和らげるために宗教は存在していて, どの宗教も人間が死んだらどうなるかについて教えている

人間が死んだ後, 肉体が滅んだとしても魂は死なない

死後も世界は続いている

どの宗教にもそういう物語が存在する

<<死後に対する考え方>>を中心に宗教についてまとめてみました (※歴史の古い順)

ヒンドゥー教


<<ポイント>>
開祖 不明 紀元前1300年頃
誕生 バラモン教の伝統復興/批判意識 (アーリア人の古い神々が没落しヴィシュヌ神, シヴァ神など新興の神々が崇められる)
ヴィシュヌ神, シヴァ神など様々な神への信仰
聖典(叙事詩) マハーバーラタ ラーマーヤナ(Ramayana)
死後 輪廻転生

<<死後に対する考え方>>
ヒンドゥー教には基本的に死後の世界は存在しません. 輪廻転生を信じているので死んだ後何かに生まれ変わり再びこの世界に戻ってくると信じられています.
※ヒンドゥー教にとって有名な言葉が存在します[七回生まれ変わっても決してご恩は忘れません] ヒンドゥー教の7桁の数字は人間の形で生まれた人とのこと(この部分を完全に理解していませんが…) 人間だけが良いこと, 悪いことなどを記憶することができる. 輪廻転生後も前世の記憶が残っているという考え方でしょうか, 素敵な言葉ですね!


荘厳な葬儀後, 聖なる火で遺体を焼きガンジス川に骨を流す


アンコールワット [カンボジア, アンコールワット] [2013年訪問]
回廊にはヒンドゥー教や神話をモチーフにした彫刻やレリーフが施されている.第一層の回廊の内部には聖典に沿ったレリーフが数多く, 乳海撹拌伝説(ヒンドゥー教における天地創造神話)やビシュヌと阿修羅の戦いが描かれた彫刻などが残されている. クメール人はヒンドゥー教を信仰していたが, 仏教徒であるジャヤヴァルマン四世の時代にヒンドゥー教は廃れていき, アンコールワットの西側には仏像だけを集めた回廊が設立された

ユダヤ教


<<ポイント>>
開祖 不明 紀元前1200年頃
誕生 英雄モーセがシナイ山でヤハウェの啓示を受ける(十戒など神の律法を与えられる)
 ヤハウェ(一神教)
考え ユダヤ人こそ神に選ばれた唯一の民族, 神から与えられた立法を守る見返りに救われる
聖典(叙事詩) ユダヤ教典/タハナ(旧約聖書)
死後 メシア(救世主)が現れ, 最後の審判が訪れるのを待つ
ユダヤ教徒=ユダヤ人=イスラエル人=ヘブライ人(基本的に同様)

<<死後に対する考え方>>
死後は地下で眠り続ける(土に戻る) 最後の審判の際にヤハウェによる裁きを受け、天使の記録により生前の善行が多い者は天国, 少ない者は地獄行きが決められるという信仰


エルサレム神殿 [エルサレム, 嘆きの壁(エルサレム神殿)] [2019年訪問]

キリスト教


<<ポイント>>
開祖 イエス(キリスト) 紀元前4年頃(イエスが刑死される3-4年ほど前)
誕生 イエスが生まれ, 彼を救世主と仰ぐ信仰から始まる(ユダヤ教からの分裂)
  三位一体(父なる神ヤハウェ, 神の子イエスキリスト, 聖霊)
考え 神は無償の愛を降り注いでくれる, 誰もが神の愛によって赦され救われる
聖典(叙事詩) 聖書(旧約聖書/新約聖書)
死後 イエス(救世主)が現れ, 最後の審判が訪れるのを待つ

<<死後に対する考え方>>
神を信じているものは今までの罪が許され, 天国に行きそこで最後の審判の日を待つ 最後の審判とは世界の終末にイエス・キリストが再降臨して人類が裁かれるという聖書によるもの


ミケランジェロの最後の審判はそのシーンを描いたもの [画像はwikipediaから拝借]

仏教


<<ポイント>>
開祖 釈迦=ゴーダマ・シッダルタ(仏陀) 紀元前463年頃
誕生 バラモン教の伝統を相対化
– (預言者も神も存在しない, 仏陀は悟りを開いた人であくまで人間)
聖典(叙事詩) 仏典(宗派により異なる)

<<日本での宗派>>
浄土宗 [南無阿弥陀仏]と念仏を唱えれば極楽浄土へ行ける
浄土真宗 救いの感謝として[南無阿弥陀仏]を唱える
日蓮宗 法華経こそが唯一の式典, [南無妙法蓮華経]と題目を唱えれば即身成仏できる
曹洞宗 ひたすら座禅に打ち込む, ただ座禅を組む修行そのものが悟りを体現している

<<死後に対する考え方>>
ブッダの道に従い, 現世での行いによって生まれ変わる. 死んでから49日後にどの世界に生まれ変わるかが決められる. これが輪廻転生と言われる考え方
※日本の仏教では, 死後は輪廻転生を繰り返さずにみんな仏になって極楽浄土に行けるという教えが一般的


座禅をする仏陀 [パキスタン, ラホール博物館] [2017年訪問]

イスラム教


<<ポイント>>
開祖 ムハンマド(預言者) 570年
誕生 ムハンマドの元に天使ガブリエルが舞い降り, 唯一神アッラーの啓示を受ける
  アッラー(一神教)
聖典(叙事詩) コーラン(Quran)
死後 

<<死後に対する考え方>>
死後, 遺体は墓に残り二人の天使が舞い降り, 生前の善行が少ない者は罰せられる 最後の審判の際にアッラーによる裁きを受け、天使の記録により生前の善行が多い者は天国, 少ない者は地獄行きが決められるという信仰
※キリスト教は一部火葬という地域もあるがイスラム教徒は土葬 最後の審判の日に蘇るためには肉体が必要とされている

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カテゴリー: 宗教世界

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