世界の神話 伝説はなぜ面白い?

神話とは, 宗教の主の構成要素である(Mythology is the main component of Religion)

世界を旅し海外に在住して気づくこと 世界の歴史を知る上で宗教は欠かせない存在 (外国では誰もが話題にするキーワードです)

異能力や異世界ファンタジーに登場する神々, 英雄, 人間が登場する世界観や物語は想像するだけでも面白く, 紀元前, 何千年も前から語り継がれている物語なので, 現代に於いて様々な由来にも繋がりがあるのも非常に興味深いものがあります

世界三大宗教と言われているキリスト教, ユダヤ教, イスラム教, その原点にもなっている旧約聖書は世界の歴史も含まれているので, 特におすすめの書物です(全39書 929章の構成)

世界を旅してきた神話や伝説が登場する場所の紹介を含め, 勉強になるようなオススメの本をカテゴリー別に分類してみました


<<神話おすすめポイント>>
・紀元前の世界の歴史, その国の成り立ちが学べる
・現代に於いて様々な由来にも繋がりがある
・神々, 英雄, 人間が登場する世界観や物語が面白い

<<神話おすすめランキング(個人主観あり 日本人向け)>>
A ギリシャ神話 北欧神話 旧聖書(世界中で圧倒的存在感 様々な由来にも繋がっている)
B インド神話 エジプト神話 ケルト神話 古事記(話がぶっ飛んで面白い 日本の歴史勉強にも繋がる)
C メソポタミア神話 マヤ神話 アステカ神話 インカ神話(他に学んだことのある神話を列挙 勉強中)

ギリシャ神話


・[エピソード] : ギリシャ ローマ神話における世界と神々の誕生
・[] : 最高神ゼウス 海神ポセイドン 冥王ハデス 太陽神アポロン 戦の神アテナ 美の神アフロディテ
・[英雄] : ペルセウス ヘラクレス アキレス オデッセウス テセウス

<<エピソード>>
1. 黄金の時代 – 天地創造, 神クロノスが支配していた時代
2. 銀の時代 – 最高神ゼウスが支配していた時代
3. 青銅の時代 – 最高神ゼウスが支配していた時代
4. 英雄の時代 – 神と人間が交わり英雄が誕生
5. 鉄の時代 – 現代の人間社会


最高神ゼウスを祀る神殿 [ゼウス神殿(オリンピア/ギリシャ)] [2017年訪問]


海神ポセイドン(ネプチューン) [トレヴィの泉(イタリア)] [2017年訪問]
オリュンポスの神々の中でゼウスに次ぐ実力者 巨人族から贈られた三叉の鉾(Trident)を携えて 波を操り地震を起こす


戦の女神アテナを祀る神殿[パルテノン神殿(オリンピア/ギリシャ)] [2017年訪問]


美の神アフロディテ(ミロのヴィーナス) [フランス ルーブル美術館] [2019年訪問]
オリュンポス十二神の一人 神クロノスの子孫ではなく, クロノスに殺された神ウラノスの切断された逸物が海に沈む際に発生した泡から生まれたとされる

一冊でまるごとわかるギリシア神話




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図解 ギリシア神話 歴史がおもしろいシリーズ




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インド神話


・[エピソード] :
・[特徴] :自然現象を崇拝 嵐暴風雨も崇拝対象と同時に悩みの種 神と悪魔の差別化がない
・[聖典] :ヴェーダ(リグ, サーマ, ヤジュル, アルタヴァ 4種) ブラルマナ プラーナ
・[] : 破壊神シヴァ 太陽神ヴィシュヌ 創造神ブラフマー 殺戮の女神カーリー 幸運の神ガネーシャ


幸運の神ガネーシャ [ネパール カトマンズ盆地] [2016年訪問]


女神ガンガー [インド ガンジス川/バラナシ] [2016年訪問]
ガンジス川(ガンガー)は聖なる川としてヒンドゥー教徒の信仰の対象であり, この川の水で沐浴すればすべての罪は浄められ, 永遠に繰り返される輪廻から解脱できると信じられている
天界にいる女神ガンガーの口もと(シヴァ神の頭)から水が噴き出してこの地上に降り, 聖なる川であるガンジス河が始まっていると考えられている


軍神ムルガン 破壊神シヴァとパールヴァティーの息子 [マレーシア バトゥ洞窟] [2020年訪問]

いちばんわかりやすい インド神話




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エジプト神話


・[特徴] :豊かな水源と広大な大地での人々の暮らしと死生観
・[神に対する考え] : 万物の創造は神の働きによるもの 自然の働きは神々の働き
・[] :太陽神ラー 冥王オリシス 大女神イシス 知恵の神トト 唯一神アテン 豊穣神アメン


太陽神ラー/アメン・ラー(右から2番目) 太陽の化身 エジプトの神々の王 [エジプトミュージアム(エジプト)]
ラーは太陽を意味し, 夜に沈んでも朝には再び空に昇ることから, 古代エジプトでは死と再生を繰り返す不死の存在として拝められていた
神の世界と人間の運命の審判者 : ファラオ(国王/君主)たちはこの神々の子孫であり, 代行者であることを主張し, 権力のよりどころにしたとされている


モントゥ(Montu) 左側 力強い腕持つもの テーベ九柱神の長 [ルクソール神殿(エジプト)]


死者の神アヌビス [エジプトミュージアム(エジプト)]
ミイラ作りの役割を担う犬神 : 箱の上に寝そべる黒犬, または犬の頭を持った人間として描かれる


スフィンクス 魔物でありながら神聖な存在 [ギザの三大ピラミッド(エジプト)]
スフィンクスの起源はエジプト神話が元になります. エジプト神話では, 王家のシンボルでありギザの大スフィンクスは王の偉大さを現す神聖な存在である.
ギリシャ神話, メソポタミア神話にも登場するが全く別の扱いをしている. ギリシャ神話では人間に謎を出す不思議な生物(怪物扱い), メソポタミア神話ではライオンの身体に人間の女性の顔を持つ死を見守る怪物となる


ピラミッドをはじめファラオたちの墓には, 死後に再生するための[死者の書]が埋葬されている. これには, 王が死後太陽神ラーの化身となって再生するための行程が描かれている
太陽神ラー崇拝のピークは, クフ王やメンカウラー王がギザの三大ピラミッド建設のピークが過ぎるころ(紀元前2600-2100年頃)に衰えていく. が, 後に豊穣神アメンが人気になると, ラーはアメンと合体し, [神々の王]アメン・ラーとして古代エジプト文明の終わり(紀元前300年頃)まで王家の座を保ったとされる

ゼロからわかるエジプト神話



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メソポタミア神話


・[エピソード] : メソポタミア神話の世界 神々は宇宙に神秘的秩序と宇宙的闘争を創造
・[神に対する考え] : 人間は神々に奉仕するために創造される
・[] :嵐神アダド 空神アヌ 女神イスュタル
・[英雄] : ギルガメッシュ

インカ神話


・[エピソード] : インカ民族(ケチュア族)に伝わるアンデス山脈の神話
・[誕生] : 紀元前1500年頃, インカ帝国が諸民族を統一する際, インカ民族の言語であるケチュア語を普及させるとともに、国家宗教である太陽の神殿祭祀を推進
・[] : 太陽神インティ(Inti) 稲妻の神アポカテクイル(Apocatequil) 月神コニラヤ (Coniraya)


マチュピチュ [ペルー マチュピチュ] [2019年訪問]

アステカ神話


・[エピソード] : 5つの太陽の伝説(アステカの創造神話では世界は今までに5回創造されたと伝えられている(現在は五番目の太陽と呼ばれる現在, 世界に先だつ4つの太陽(時代)はいずれも滅亡
・[宗教に対する考え] : アステカの宗教にとってもっとも重要なものは太陽崇拝と農業
・[] : 創造神オメテオトル 守護神テスカトリポカ 火神シウテクトリ


テオティワカン [メキシコ テオティワカン] [2019年訪問]
テオティワカンは神々が創造した場所と呼ばれる計画的に作られた都市のこと. 周りを山に囲まれた盆地で, 現在のメキシコに存在した
テオティワカンはアステカ神話に登場する. 四番目の太陽が姿を隠すと(時代の消滅), 神々たちがテオティワカンに集まり新しい太陽を作って再び世界を復活させようと相談し, 現在の世の中が生まれた


アステカのカレンダー [メキシコ 博物館] [2019年訪問]

北欧神話


・[エピソード] : 宇宙樹を舞台に繰り広げられる神々と巨人の戦い/ゲルマン民族の物語
・[聖典] :エッダ(Edda)
– 古エッダ 詩のエッダ (Poetic Edda) 800-1100年頃
(著書不明 – 1700年頃に発見された北欧で最も偉大な古詩集(神話, 英雄詩, 格言詩からなる)
– 新エッダ スノッリエッダ(Snorri Edda)など 1220年頃
(著書スノッリストゥルルソン アイスランドの政治家であり, 詩人のスノッリが記した詩学入門書)
・[] :アース族(最高神オーディン 雷神トール 女神フリッグ 光明神バルドル) ヴァン族(豊穣神フレイ 女神フレイヤ)
・[英雄] : シグルズ ヴァルキューレ
・[現代への影響] : 小説映画マイティー・ソー(モデル 雷神トール) 指輪物語(巨人トロール, 小人ホビット) 進撃の巨人 ゲームFF ペルソナ 女神転生

<<エピソード>>
1. 世界のはじまり – 巨人ユミルが誕生, はじまりの神ブーリが生まれる 14
2. 天地創造 – はじまりの神ブーリの孫オーディンがユミルを殺し, その死体で世界を創造 14
3. 世界初の戦争 – 魔女グルヴェイグの来訪をきっかけにアース族とヴァン族の間で争いが勃発 18
4. 神々の争い- 神々と巨人の力比べ その他… (おすすめ) 164
5. バルドルの死
6. ラグナロクの発動 – 世界最終戦争, 神々と巨人の激しい攻防の末 世界は滅亡する… (おすすめ) 26
7. 世界の誕生 – 破滅した世界が蘇り生き残ったものが住む 30

<<登場人物>>
神族 神々(アース神族, ヴァン神族)
妖精族(アールヴ) 白妖精, 黒妖精
人間族 神族が木から作成, ラグナロク後に復活した男女が現代の人間の祖
巨人族 霧の巨人(ユミル), 大蛇ヨルムンガンド 邪神ロキ 魔狼フェンリル
小人族(ドヴェルヴ) 魔法のアイテムを作る名工, 日光を浴びると石化

ゼロからわかる北欧神話




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おすすめ度:★★★★★ (時代背景/神話の根源など比較資料が充実, 関連図, グラフなど理解しやすく完成度が高い 神話初心者にもおすすめ)

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いちばんわかりやすい 北欧神話

ケルト神話


・[エピソード] : アイルランド スコットランド ウェールズに移住したケルト人の物語
・[特徴] :他の神話に比べて 文字で書き留められる機会が少ないため 断片的であり話の内容が多種多様
・[ケルト人] :
– 紀元前1500年頃までに中央アジアからヨーロッパに移住してきた民族
– 紀元前500年後ヨーロッパ全土に拡大
– ローマ帝国の末期になると東方からの移民の群れ(ゲルマン人)によって駆逐される
– 中世にはアイルランド スコットランド ウェールズと限られた地域にだけ移住
・[聖典] :
– オシファン作品(スコットランド神話)
– マギノギオン(ウェールズ神話) アーサー王物語, 聖杯伝説
– アイルランド神話(神話物語 アルスターサイクル フェニアンサイクル 歴史物語)
・[] :太陽神ルー 女神ダーナ
・[英雄] : クフリーン

面白いほどよくわかるケルト神話



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おすすめ度:★★★ (解説資料が少ない, ページ数が物足りない, 写真と文章のみの構成)

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