ベツレヘムとは
今現在もイスラエルの抱える問題の一つである「パレスチナ問題」 町はコンクリートの壁で覆われていて、この壁がイスラエルとパレスチナ自治区の町を隔てています。パレスチナ自治区にはあらゆるところに監視カメラがあり、ユダヤ人兵士によってパレスチナ人は常に監視されています。
ベツレヘムはヘブライ語聖書ではダビデの町とされ、新約聖書ではイエス・キリストの生誕地とされています。
そんな様々な問題を抱えるパレスチナの人々の暮らしとイエスの誕生を巡り、パレスチナ自治区の「ベツレヘム」に実際に足を運んでみました。
聖誕教会
マリアの夫、ヨセフの本籍はベツレヘムにあり、ローマ帝国の人口調査のため、ヨセフはマリアとともにベツレヘムへと帰省。その途中、マリアはイエスを出産します。そのイエスが生まれたとされていた洞穴の上に聖堂が建設されて339年に完成したのが聖誕教会になります。教会には、生誕の洞窟(The Grotto of the Nativity)があり、祭壇の地下に、イエスが生まれたと言われる場所が祭られています
キリストが生まれた場所にある聖誕教会
この聖誕教会に隣接されて聖カテリーナ教会が建てられています。このカトリック教会では、毎年12月24日にミッド・ナイト・ミサが行われ全世界にテレビ中継されているそうです。教壇にはマリアとイエスが飾られています。
ギリシャ正教の祭壇になります
祭壇の横に地下へと続く階段があり噂の洞窟へと繋がっています。この地下の洞窟にはいる際、混雑していると一時間は平気で待つことになります
祭壇の下の床には銀の星(星のエンブレム)がはめ込まれていて、ここがイエス・キリストの生誕の場所とされています
大工のヨセフと聖母マリアがベツレヘムを訪れた際、泊まる場所が見つからず、やむを得ず家畜小屋の洞窟を宿泊場所に選びました。ここで陣痛がはじまりイエス・キリストが生まれました
ミルクグロット教会
イエスが生まれた当時、新しい王の誕生に脅威を感じたヘロデ王は、ベツレヘムにいる2歳以下すべての男子を殺害する命令を下した。(幼児虐殺 wikipediaより) 聖母マリアは洞窟に逃れた際、母乳がこぼれて岩が一瞬にしてミルク色に染まったと伝えられています。その場所に建設されたのが、このミルクグロット教会になります
ミルクグロット教会の入り口です。聖誕教会から徒歩で数分の場所にあります
この教会の見所はほとんどなく、岩がミルク色に染まったと伝えられた場所は見当たりませんでした
隔離壁(アパルトヘイト・ウォール)
ベツレヘムは、少し郊外へ足を伸ばすと途端に人通りが少なくなり、ゴーストタウンのような雰囲気すらあります。そこに存在するのが隔離壁(アパルトヘイト・ウォール Apartheid wall)になります。高さ8メートルのこの壁は、イスラエル政府がパレスチナ側からの [テロを防止]する目的で作られた壁になります。パレスチナ人は基本この壁から向こうには行くことはできません
※許可証があれば壁の外に出られるそうです。ヨルダンを観光していた際に、パレスチナ自治区から出稼ぎで働きに来ていたパレスチナ人と会うことがありました。彼の家族はパレスチナ自治区にいて今現在もイスラエルとの問題は続いてると語っていました
この隔離壁にはパレスチナ人の平和に対する思いが込められたアートがたくさん描かれています
Make Humans Not Walls : この壁があることで、ここに住むパレスチナ人は壁の外に出ることはできません
Free Palestine : 現在もイスラエルとパレスチナは大きな問題を抱えています。パレスチナ人の多くはイスラエル人のことを悪く思っています。現地では、不用意にパレスチナ問題のことについて意見を言わない方が賢明かもしれません。
最後に:この壁(付近)にはバンクシー(Banksy)の作品もあります。ここに訪れる機会がある人は是非探してみてください。